弁護士も呆れる「横領」の刑事事件実例集

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不法原因給付と横領

【最判昭和36年10月10日第三小法廷】

事案の概要

被告人は、盗品の売買を斡旋し得た代金を着服した。かかる行為について横領罪の成否が争われた事件。


判旨

「刑法252条1項の横領罪の目的物は、単に犯人の占有する他人の物であることを以って足るのであって、その物の給付者において、民法上犯人に対しその返還を請求し得べきものであることを要件としない。」

コメント

不法原因給付物に関して、横領罪成立説と横領罪不成立説が対立しています。最高裁は、不法原因給付物についても横領罪が成立すると判断しました。この問題の核心は、委任者に「不法な領得行為に対して保護するに値する利益が存在するか」という点にあります。窃盗犯人の占有する盗品や禁制品の奪取の処罰が認められている以上、不法原因給付物であっても、その着服行為については、横領罪が成立すると考えるべきであり、最高裁の判断は正当であるといえます。

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